ニンニは育ての親の「おばさん」から皮肉を言われすぎたために姿が見えなく、口も聞けなくなっています。
ニンニが透明になり口も聞けなくなったことは、人と接することが怖くなってしまった人のことを表現しているので、私達の周りにも同じような人はいるのではないでしょうか?
私は、そのような人にどうやって接していいのか、正直よく分かりませんでしたが、ニンニのエピソードを読んで分かったことがあります。
それは・・・
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ニンニに対するムーミン一家の接し方
短篇集「ムーミン谷の仲間たち」で登場するニンニはあまりにも皮肉を言われたために透明になってしまった女の子です。
ムーミンの世界では「人はあんまりいくどもおどろかされると、ときによって、すがたが見えなくなってしまう」らしいです。
このニンニエピソードは「何らかの理由で自分を閉じ込めてしまった」人と、その周りにいる人がどうすれば良いのか?という問題に対応する方法を示唆しているように感じたのでまとめてみます。
ムーミントロール(ムーミン)
やさしいムーミントロールは、なんとか良くなってもらいたいと思いニンニを気にかけますが、ひどいおばさんのことを思い出すような言葉をかけてしまいます。
子供だからしょうがないですよね。
ミー(ちびのミィ)
ずけずけとひどい言葉を何度もなげかけます。
「あんた、ぶたみたいによく寝てたわね。いつあんたは、あんたの鼻を見せてくれるの。もし、あなたが、人に見られないことをのぞむんだったら、ぎょっとするようなすがたをしなくちゃだめね」
という言葉。
遠慮がないというか、素直なミーはかわいそうなニンニに対しても接し方は変わりません。
それがミーのいいところですね。
ムーミンママ
さすがのムーミンママ。
姿が見えなく口がきけないニンニを認め、気にしながらも特別なことをせずにそっとしておきます。
そんなムーミンママを大好きになったニンニは、いつもムーミンママの後を金魚のフンのようについていくように。
ムーミンママがニンニにかけた言葉が、ニンニのような状態になった人に対して一番適切なんだろうなーと思ったのでご紹介します。
「では、おやすみなさい、ニンニちゃん。すきなだけ、おねぼうしてもいいのよ。
朝のお茶は、あんたののみたいときにのめるようにしてあります。
もしまた、どうかしてこわくなったり、なにかほしいものがあったら、下へおりてきてすずを鳴らしてね。」
ニンニを認めつつ、ニンニがムーミン一家に気を使わないようにする配慮をとても感じます。
ムーミンパパ
現実的なムーミンパパは、医者につれていくことを考えますが、ムーミンママに止められます。
ニンニが姿を見せるきっかけを作ったのはムーミンパパですが、ちょっとかっこ悪いです。
でも、童心を忘れていないお父さんって、素敵かもしれません。
まとめ
ニンニのエピソードでは「ちょっと困った状態の人」に対する方法は人それぞれ個性があって良いのでは?という作者のトーベ・ヤンソンさんの気持ちがうかがえます。
ムーミンママの方法が一番いいとは思いますが、みんながみんなムーミンママになってもしょうがないですよね。